ワタクシ所持のバックカントリーガイド本を紹介

インターネットが情報源の中心となった今日この頃ですが、行きたいルートを最初に探す上では今も存在感を放つのが書籍。俗に言うガイド本、ルート集などです。今でも年に1冊?くらいのペースで発行されています。ここではワタクシが持っているガイド本を簡単なコメント付きで紹介。

古いものでは1990年発行のガイド本もあります。時代にそぐわない内容もありますが、シーズン初めには必ず目を通して、今年の目標ではないですけど、行きたいとこリストを作るのに活用しています。

山スキールート212

2019年シーズンの前に山と渓谷社から発刊された山スキールート212。B4版で300ページにも及ぶボリューミーな内容です。日本全国のBCエリアを網羅しています。地形図にルートのラインが書き込んであって、注意ポイントにはコメントも入っています。価格は税別で2980円。かなり高額ですが、内容からすると妥当かと。バックカントリー初心者は、これ1冊持っていれば数年大丈夫ってくらいの盛りだくさんな内容です。

至れり尽くせりなこの山スキールート212ですが、個人的にはちょっとやり過ぎだろ…と思っちゃいます。今までのガイドブックでは触れられてなかった里山ルートや、こんなとこ紹介しちゃうの…というようなシークレットルートなどなど、大盤振る舞いで紹介されています。

ここは人気が出たらヤバイでしょ…とも思えるルートも惜しげもなく掲載されています。まあ、でも、今のご時世インターネットに腐るほど記録が出ています。シークレットルートなんてものは既に事実上なくなってるのかもしれませんね。

山スキー百山

2016年シーズン前の発刊。スキーアルピニズム研究会(RSSA)の関係者が滑った記録を百山集めたものです。上記の山スキールート212が一般的なルートを網羅しているのに対し、山スキー百山はメジャーな初心者向けルートルートから、真似できないような困難なルートも紹介されています。『はじめに』にも書かれている通り、『百名山』ではなく『百山』とのこと。こだわりが感じられるルート構成になっている印象です。

地形図にルートのラインが引いてある点では山スキールート212と似ています。ですが、紹介されているルートはマニアック。BCスキーヤー万人向けのガイド本というよりも、RSSAの記録集といったところでしょうか。彼らが辿った山スキールートの紹介といった位置づけかな~

日本バックカントリー・オール

2015年シーズン前にパウダーガイド編集部から発刊。日本のバックカントリー50エリア、170ルートを網羅。上級者コースやシークレット的なルートは省いているとのことです。

地形図にラインが記入されているという点では上記2冊と同様ですが、この本のルートは直線で描かれていてかなり大雑把。別のところからGPSデータをダウンロードすることが前提となっているようです。この点からも、かなり初心者向けであることがわかります。

また、上記2冊が『山スキー』という名称を用いているのに対し、こちらは『バックカントリー』が使われています。山スキーは登山要素の強いいぶし銀的なイメージを受けますが、バックカントリーはミーハーに感じます。登山というよりもゲレンデスキーの延長的な感じでしょうかね。本文の内容もレベルの低さが否めません。もちろん個人的な印象ですけどね。でも、行きたいルートを探す時の参考資料としては、毎年大いに活躍しています。品揃えとして本棚に置いておく価値のある一冊であることには間違いありません。

東北の山スキー特選ガイド

2015年シーズンの前に白山書房から発刊されています。東北のガイド本といえば、1990年発刊の『東北山スキー100コース』ですが、さすがに古くなってしまいました。地形はそんなに変わらないけど、アプローチや植生などは徐々に変わってきます。その後継版というわけではないんでしょうが、東北の山スキー特選ガイドはルートを絞って最新情報で紹介されています。

内容としては、ベタベタな初心者コースから、ちょっとマニアックな中級者コースまで。地形図にルートのラインが書き込まれています。オールカラーなのも魅力。やはり写真がカラーなのはいいですよね。行きたい欲が沸いてきます。信州に住むワタクシにとって東北は近くはないのですが、年に何度かの遠征時には必ずめくる1冊です。

山スキールートガイド105

2014年シーズンの前に発刊。一般的なガイド本というよりも、著者の酒井さんの記録集といった意味合いが強いです。一般的なルートもありますが、マニアックであったり、超上級者コースも紹介。今時のバックカントリースキーヤーには難しいガイド本と言えそうです。

エリアは著者が在住の富山県からの山が中心。北アルプス北部、頚城、富山、白山などなど。内容は全て白黒。ルート図は昔ながらの概念図。尾根を太線、沢を細線で描かれています。地形図ではないので、参考にする際には、掲載されている概念図を地形図に置き換える作業が必要です。地形図をしっかり読める力が必須です。名称も『バックカントリー』じゃなくて『山スキー』であることからして、ミーハーなバックカントリースキーヤーはターゲットにしてないと思われます。

パウダーガイドNo.9、No.10、No,11

上記の日本のバックカントリー・オールと同系列な本です。このシリーズは純粋なガイド本ではなく、シーズンごとに発行されるバックカントリーの総合的な本。新しい道具の紹介やトレンドなど紹介しています。買うまでもないかな…とも思うのですが、一応ガイド本は惜しまずに買うことにしているので、購入して本棚に飾ってあります。

ハイグレード山スキー

今は亡き月刊誌『岳人』。だいたい毎年初冬に山スキーの特集が組まれていて、いくつかルートガイドも掲載されていました。そのルートガイドを1冊にまとめたのが、このハイグレード山スキー。この本が地形図にルートの線を書き込んだ最初のガイド本なのではないかという記憶。それまでは尾根と沢をフリーハンドで書いた概念図がほとんどでした。

内容的にはベタベタな定番コースから、こんなの載せるか…ってなマニアックなルート、上級者のコースまでバラエティに富んでいます。発売された2007年からしばらくはワタクシのバイブル的なガイドブックだったのでした。岳人なので内容は硬派です。

リフトで登る日帰り山スキー特選ガイド

2004年シーズン前に発行されたガイド本。名前の通り『リフトで登る』に特化したガイド本です。リフトという文明の利器を利用して、お手軽に登って滑れるコースが基本ですが、中にはロングコースなども織り交ぜてあったり。三峰山岳会の佐藤さんの著です。

このガイド本も地図に線が引かれている親切な本です。ただ、ラインはかなり大雑把。

スキーツアー

山と渓谷社のロック&スノーシリーズのマニュアル本の一つ。前半はノウハウ系、後半はルートガイドとなっています。著者はあの有名な山岳写真家であります菊池哲男さん。写真もすごいけど、スキーも上手いです。谷川や白馬など集中的に滑降しておられます。この時代にルンゼ滑降とかしていて、かなり先鋭的な山スキーヤーです。ただ、今の時代からすると、若干時代遅れ的な本になってしまった感はあります。

山スキールート図集1,2

今となっては懐かしい白山書房の山スキールート図集。今の時代のバックカントリースキーヤーがこのガイドブックを見ても、恐らくガイドにもならないんじゃないかと思われます。昔はこんな感じでしたからね~。この大雑把な概念図を地形図に落とし込む作業が楽しかったものです。あーでもない、こーでもない…と。この作業で出発前の地図読みは完璧でした。考える分、頭に入りますので。

内容的にも今の時代にはそぐわないルートも多いです。いわゆるクラシックルート的なルートが多く、滑降メインの今、一部の昔ながらの山スキーヤー意外は見向きもしないかも?また、温暖化が進み、当時はスキーできるエリアでも、今ではスキーできるほど雪が積もらないエリアもあれば、植生も変わってしまったところもあるんじゃないかと思います。

そんな古くなったガイド本ですが、今でもシーズン初めには必ず目を通しています。その年の行きたいところリストを作成するために。ここに挙げたガイド本は毎年一度はペラペラとめくっています。

東北山スキー100コース

1990年に発売のかなり古いガイドブック。もちろんワタクシがバックカントリーを始める前の本。東北だけで100コース網羅してるのがスゴイですね。ただ、山スキールート図集と同様に今現在も現役バリバリのコースばかりとは言えません。クラシックルートも多いので、ツアー系の人には好まれるでしょうが、滑り系の人に見向きもされないかも。

発行から30年経ってるので、その間に無木立斜面が藪化したり、温暖化で滑れるほど積もらなくなったところもあるでしょう。こんな古いガイドブックですが、こちらも毎年シーズン前には必ず目を通していますよ。

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